トナーカートリッジとは?インクカートリッジとの違いやメリットは?

プリンターの導入を検討していて、「レーザープリンター」と「インクジェットプリンター」のどちらを選べば良いか悩んだことはありませんか?「カートリッジは、トナーとインクでどう違うの?」「コスト的にはどちらがお得?」と気になっている方もいるでしょう。

今回はトナーカートリッジの特徴、インクカートリッジとの違いや利点、交換や処分方法などを解説します。トナーカートリッジの理解が深まり、適切な取り扱い方法を知って自身に最適なプリンターを選ぶ参考にして下さい。 

トナーってなに?トナーカートリッジとインクカートリッジの違いとは?

トナーカートリッジ

トナーカートリッジとはレーザープリンターで使われ、トナーカートリッジ内に入っている粉をトナーと呼びます。トナーは約5ミクロンの粒状の粉を使用しています。レーザープリンターはトナーを静電気で感光体ドラムに吹き付け、紙に熱と圧力で定着させます。トナーは高分子樹脂(プラスチック)・ワックス・顔料の3種類の成分で構成されています。ブラック・シアン(青)・マゼンタ(赤紫)・イエローの組み合わせで、カラー印刷をします。

インクカートリッジを使うインクジェットプリンターは、カートリッジに詰めた液体状のインクを紙へ吹き付けて印刷する仕組みです。インクの中身は水分、着色剤・浸透剤・PH調整剤・防腐剤・乾燥防止剤などが含まれています。インクカートリッジには、紙に染み込み写真印刷に適した染料インクと、文字印刷に適した顔料インクの2種類があります。

トナーカートリッジのメリット・デメリット

トナーカートリッジのメリットは、高速印刷が可能・色がにじみにくい・トナーの交換頻度が少ないところです。レーザープリンターは感光体ドラムに印刷イメージを描き「面」で印刷するため、たくさんの枚数を高速で印刷する場合に向いています。またトナーを熱や圧で定着するスタイルで印刷するため、印刷物が少し濡れた場合や、蛍光マーカーを引いた場合でも色がにじみにくいのが特徴です。レーザープリンター専用紙以外に、普通用紙から再生紙、特殊加工をしていない用紙まで幅広い用紙で印刷が可能です。最後にトナーカートリッジは1本で沢山の印刷ができるので、交換の頻度が少なくて済みます。トナーカートリッジのデメリットは、色の再現性が低い・長期保存はできない・トナーの価格が高いところです。トナーカートリッジは、写真のような細かい色のグラデーションの表現の再現性が低い傾向にあります。またトナーの使用期限は、一般的に1年から2年です。長期保存のトナーは、本体が故障する原因にもなります。トナーカートリッジの価格がインクカートリッジと比較すると、1本あたりの値段が高いことはデメリットでしょう。ただし、トナーカートリッジは1本で5,000から20, 000枚印刷できて長持ちします。インクカートリッジは1本あたりの印刷可能数が約100から2,000枚程度のため、頻繁に交換する必要があります。 

トナーカートリッジとインクカートリッジのコスト比較は?

コストの比較は、インクカートリッジを使うインクジェットプリンターは印刷枚数が少ないほど得になり、トナーカートリッジを使うレーザープリンターは印刷する枚数が多ければ多いほどお得になります。インクジェットプリンターはインク代が安く、初期費用が安くすみますが、インクカートリッジの容量が少ないので大量印刷をすると交換が多くなり、割高になります。インクジェットプリンターも、近年では大型ボトルを備えたタイプが登場し、インク交換頻度を下げて、印刷のコスト削減タイプが発売されています。トナーカートリッジはトナー1本が高く、初期費用が高くなります。しかし1本あたりの印刷可能枚数が多いため、使い続けると1枚あたりのコストが安くなります。長期的にみたランニングコストは、トナーカートリッジの方が優れます。電気代で比較すると、レーザープリンターは熱を使って紙に焼き付けるので、電気代のコストがインクジェットプリンターより高くなります。小規模オフィスや在宅ワークの場合は、レーザープリンターを利用するたび、ブレーカーが落ちることもあります。修理代も大型のものであればレーザープリンターは高額になります。 

トナーカートリッジの交換方法とコツ

トナーカートリッジの交換方法は工具を使う必要もなく、古い物を取り外し、新しい物をセットするだけです。注意点としてはセットする色とセットする方向です。色を間違えてセットすると、本来の色と新しくセットした色が混ざってしまいます。プリンターごとの買い換えになることもあるので、気をつけましょう。まず新品は開封前に水平に軽く数回振って慣らします。トナーは粉状のため、振ることによって内部を均一にして、色ムラが発生するのを防ぐためです。振りすぎはトナーの粉が飛散する可能性があり、中には振ってはいけない製品もあるので、説明書を見て確認してください。また湿気の影響を受けやすいため、交換直前までは開封を控えます。開封した保護袋はカートリッジを外したときに使うので、捨てずに保管します。次にプリンターのフロントカバーを開けて、トナーカートリッジを交換します。プリンターからトナーを取り外す時は勢いよく引き抜き、斜めにすると漏れるたりすることがあるので、必ずゆっくり平行に引き抜きます。新しいトナーのセット方法はプリンターによって異なります。しっかり交換できているかを確認しましょう。 

トナーカートリッジとレーザープリンターの導入をおすすめするオフィスは?

レーザープリンターの導入をおすすめするのは、文書の枚数や部数が多く、印刷スピードを重視するオフィスです。大量の資料を準備する場合や、印刷の頻度が高いオフィスは、レーザープリンターを活用する方が、業務を効率的に進められます。印刷コストを抑え、トナーの交換頻度も少なくて済みます。購入するとレーザープリンターは高額ですが、リースやレンタルなどで初期費用を抑えることも可能です。業務で写真やイラスト、ポスターなど画質の美しさが求められる印刷がメインで、クオリティを重視するというオフィスは、レーザープリンターよりもインクジェットプリンターの方が適しています。インクジェットプリンター本体はオンラインショップや家電量販店でも販売しているため、手に入れやすく、導入コストを抑えることができます。小規模事業で印刷枚数が多くない場合や印刷に解像度が求められる仕事の場合は、インクジェットプリンターが向いています。 

トナーの捨て方に決まりはある??

トナーカートリッジは不燃ごみなどの一般ごみで捨てるのではなく、産業廃棄物として処分する必要があります。引火性があるので、間違った処分方法は粉塵爆発の危険性があるからです。トナーは危険性から回収を拒否される場合があるので、事前に可能かどうか確認しておきましょう。メーカーやトナーを専門に販売している会社は、回収サービスを行っている場合が多いので、依頼して対応してもらえるでしょう。スーパーや家電量販店に設置されている回収ボックスに入れると、使用済みトナーカートリッジがリサイクルの対象となり、分別や洗浄処理をしてから、新しい製品に生まれ変わります。ベルマーク運動に参加するのも一つの方法です。学校ではプリンターを使う機会が多いでしょう。専用箱に集めた使用済みトナーカートリッジは点数に応じて、学校の備品と交換ができます。また引っ越しや大掃除で多くの不用品が出た場合は、不用品回収業者にプリンター本体や使用済みトナーカートリッジを回収してもらえる場合が多いです。

まとめ

今回はトナーカートリッジについて説明しました。トナーは複合機やレーザープリンターにとって消耗品であり、インクにはないメリットがたくさんあります。トナーカートリッジとインクカートリッジは、特徴が異なります。プリンターの用途や作業環境、導入とランニングコスト、メリットとデメリット、扱い方を知り、業務の効率化や印刷物の品質向上が期待できる最適なプリンターを選びましょう。